こんばんは、いらっしゃいませ。お返事が遅くなり申し訳ありません。
「あなたの永遠で」はそうなんですよ、狂気EDではあるものの、カカシ先生のナルトへの執着は半端ないし、その後どうなるのか私自身妄想しちゃって、死ネタとは違うどこか異色な感じが気に入っていたお話になりますvわー100円さまにコメントもらえて嬉しい!(゜▽゜*)
シカナルのお話も、捏造設定ながら主ナルトが気に入っておりまして、なかなかネタが浮かばないんですけど、これからも思いついたら書いてみたいと思います!ネタさえ思いつけば、書きたい設定なんですけれども~><
あのお話はシカマルが真っ直ぐにただナルトだけを主といただくのが小気味良くて、書いててほんと楽しくなっちゃいますv
で、『降り積もる、雪のように』に出てきたネジで小話、書いちゃいました!この下の方にありますので、お暇つぶしにどうぞvいつかきちんとした形でピクシブに投稿したいですv
五万ヒットへのお祝い、それから、無料配布本へのお言葉、ありがとうございます!
これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いしますvコメント本当に嬉しかったですvv
↓短いですが、シカナル主従のSSです。
*****
ナルトは自然に愛される。自然がナルトを愛したがると言えばいいのか、ナルトが森に入ると大気すら変わるほどに木々や自然が受け入れるのだ。
物言わぬ動植物だというのに、ナルトがいると緑は濃くなり花は香りを強め、リスや蝶、鹿といった動物たちがこぞって近くに寄ってくる。
物心ついた時からそうだったから俺はそれを当たり前のものと思っていたのだが、どうやら初めて見る者にとっては不思議に思えるらしい。
「シカマル、あれはいったいどういう状況だ?」
ネジの問いかけに、見たまんまだろうと返す。
森の奥の開けた場所に大の字になって寝転がるナルト。その周辺に集まる鹿や動物たち。
木々は影を作ってその寝顔を柔らかく見守り、降り注ぐ木漏れ日にまるで祝福されているかのようだった。
「それより、本当にナルトと約束してんだろうな? もしこれが嘘だって分かった日にゃてめぇ」
「約束は本当だ。共に修行をしたいと申し出た俺に、明日は奈良一族の所有する森にいるから、と返された。シカマルに言えば道案内してもらえる、ともな」
中忍試験でナルトと一線を交えたネジは『運命を変えてやる』と豪語したナルトにひどく心酔したようだ。あの戦いは確かに秀逸だった。俺も親父も、奈良の名を冠する者たちはみな、ナルトの凛々しい姿を前に今まで以上に魅了された。
俺たちしか知らなかったナルトの魅力が、その存在感、カリスマ性が、徐々にあらわになっていく。それはひどく誇らしく、いつになく興奮した。
どうだ、素晴らしいだろう、俺たちのあるじはこんなにも真っ直ぐで美しいのだ。自慢といってはおかしいかもしれないが、ナルトの実力が認められていくさまはひどく喜ばしい感覚を与える。
九尾とやらの色眼鏡でなく、ナルトの本質を知って欲しいと思ったのは事実。
そうして、予想通り、それをあらわにすると惹かれる者も増えてきた。俺たちのあるじはそれほどまでにまばゆく美しく魅力的なのだ。
「おい、ナル」
「待て」
起こすために声をかけようとしたらネジがそれを制す。
ちらりと横目でうかがうと、眩しいものを見るようにナルトをじっと見つめていた。肌が白いせいで薄く色づいた目元がよく分かる。少しだけ、不快感を感じた。
呼吸すらひそめてナルトの様子を見つめるネジはどうやら目の前の光景を崩したくないようだった。確かに、まるで一枚の絵のようではある。金色の髪を持つ子供が木漏れ日を浴びながら草木の間で眠り、動物たちがそれを優しく見守っている。
その様子を見られたのは奈良一族の者だけだったのに、などと先ほどまで考えていたこととは真逆のことを今更ながら考えて、俺は無言のままネジの前に立ちふさがった。
ネジはかすかに眉間に皺を寄せて俺を見やる。邪魔だと言葉にしなくとも伝わってくる気配に、俺はフンと鼻を鳴らした。
(今までナルトに興味もクソもなかったくせに、都合よすぎんだよ)
ナルトが認められるのは嬉しい。ナルトが愛されるのは嬉しい。だが、あまりにもたやすく手のひらを返されると、腹立たしくなる。今まで虐げるばかりで、気づこうともしなかったくせに、と。
里人に比べてネジはまだ許せる方だが、それでも、熱を滲ませた目でナルトを見つめられては不快感が沸く。
中忍試験で戦うまで、お前はサスケの方ばかりに気を取られて、ナルトなんて度外視していたくせに。ナルトのことを、見下していたくせに。
くせに、くせに、と、子供のように不満を漏らしながら、俺はネジから視線を外してナルトを見た。
ナルトは眠りに落ちたまま、起きる気配はない。それをいいことに、俺やネジは時間を忘れて金色の子供に見入った。
俺たちのあるじ。唯一にして無二の絶対的な支配者。俺たちは血の一滴、髪の一本にいたるまでこの小さな金色のもの。
木々の影から新たに一匹の鹿が顔を出す。見慣れないネジを警戒して現れた鹿は、鼻をピクピク、耳をヒクヒクと動かしたあと、ナルトの側で足を折って丸くなる。棒切れのように伸ばされたナルトの四肢に顔をすりよせたあと、ゆっくりと目を閉じる。どこからか蝶が飛んできてその頭を行き過ぎ、何の花と間違えたのかナルトの金色の髪にとまった。
「……今日の修行は取りやめだ。ナルトには日を改めると伝えておいてくれ」
ネジはそう言い捨て、くるりと背を向けて歩き出す。
俺はといえば、ナルトから目をそらさないまま遠のくネジの気配を感じていた。
今まで、俺たち奈良一族だけが知り守ってきた唯一の絶対。それが、中忍試験を機に表舞台へと飛び出した。それが吉と出るか凶と出るかはまだ分からない。
ナルトの、ナルトだけが持つカリスマはじわりじわりと心の中を浸食し、一本の光の道筋となって導いてくれるのだ。
ある者にとっては救いとなり、ある者にとっては脅威となる光。
(それでも、だ)
それでも、俺たち奈良一族はナルトのもの。ナルトの幸せだけのために、そのためだけに、存在する。
淡く流れる木漏れ日。鳥の柔らかな歌。静謐に抱かれて眠るナルト。
とりあえず今はこの眠りを守ろうと気配を殺してナルトの隣へと腰を落ち着け、あるじの側にいる至福に酔いしれた。
///短いですが。いつかピクシブにも投稿しますねv